来月ご結婚されるお嬢様がお召しになれるようにと、白無垢をお預かりしました。これは、お母様が嫁ぐときにお誂えされた白無垢の着物と打ち掛けで、それはそれは見事なものでした。お母様の時代でも貸衣装が当たり前という時代に、たった一度着るだけの婚礼衣装を自前でお持ちの方は、そうはいないと思います。それだけに、こちらを生かしてお嬢様に着せたいというお気持ちに応えるべく、加工をさせていただきました。どうしても正絹は時間がたつと少し黄ばんでくるので、できるだけ白く綺麗にしたいとのご意向から、全部ほどいてお手入れしてから仕立てました。一番大変だったのは、実は仕立てなんです。当店はすべて国内手縫いの仕立てなので、この婚礼衣装を仕立てられる和裁士さんがとても少ないので苦労しました。写真はないのですが、綺麗に仕上がった白無垢をご覧になって、お母様がとても喜んでくださって、こちらも嬉しくなりました。素晴らしい結婚式になることでしょう。