昨年、1通のラインから始まりました。中部地方にお住まいの方からで「娘2人がおばあちゃんの着た白無垢で結婚式をしたいけれど、身長差が10㎝以上もあり、生地にしみなどもあるけれど直していただけますか」というものでした。何回かラインでやりとりをさせていただき、白無垢、掛下、長襦袢を送っていただき、お見積もりをご連絡いたしました。その後、わざわざ当店まで車で3時間以上かけてお越しいただき、実際に着用して寸法を見させていただきました。やはり、ご身長がおありなので、どうしてもひきずるほどの十分な長さがないため、別布を用意して、違和感のないように足したり、裄直しや着用されたときに目立つところのみ修正して、最小限度のお直しで着用できるよう直しました。先月、無事に下のお嬢様のご結婚式の際にお召しくださって、お母様からお写真が届きました。本当に幸せな笑顔のお写真を拝見して、微力ながらもお嬢様の門出のお手伝いをさせていただいたことに感謝しております。きっと、おばあちゃんも喜んでいらっしゃることでしょう。そして、改めて着物は「衣服」というだけでなく、家族の思い出なども詰まった歴史の一部のように感じます。これからも、皆様の大切なお着物を後世に伝えていただけるお手伝いをしていく所存です。